落語家の桂歌丸さんが亡くなった。
私はこんな記事を書くほどの落語知識はないかもしれないが、歌丸さんへの感謝の気持ちを残しておきたい。

 
私は3年ほど前、17才の頃落語に興味を持ち、取っ掛かりとして落語エンタメ番組「笑点」をたくさん観た。
歌丸さんが司会として、私たちのような若者に向けても親しみやすい番組作りをしているのが伝わってきて、一気に落語の世界が好きになったのを覚えている。

その2015年、初めて聴きに行った落語は、歌丸さんが毎年トリを務める国立演芸場の中席だった。
さまざまな噺家さんが続いたあと、歌丸さんによる「怪談乳房榎(かいだんちぶさえのき)」という古典落語を聴いた。

そこにいたのは笑点の砕けた雰囲気とは違った、落語にすべての神経を捧げたような、鋭い雰囲気の歌丸さんだった。
はりのある声、細かな表情や指先といった、体のすべてを動かすしなやかさ。
あの日感じた迫力、その映像はいまでもありありと眼前によみがえる。

はじめての寄席で、思いがけなく「本物の落語」を魅せてもらった。
笑点とは違う落語の一面に、ますます惹かれた。

娯楽としてだけでなく、落語から学ぶことは多い。
今まで知らなかった言葉や世界、魅力ある話し方や振る舞い方。
一過性のお笑い芸人の一発ギャグをジャンクフードとすれば、落語は栄養素を多く含んだコース料理のようだと思う。

そんな落語の世界に引き込んでくれた歌丸さんを尊敬するし、感謝の気持ちでいっぱいだ。
歌丸さんが亡くなって喪失感があるけれど、嬉しいことに歌丸さんの成し遂げたことは、豊富な映像や音源に残されている。
これからも桂歌丸さんは、この世界に生き続ける。

ありがとうございました、歌丸さん。

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