音楽には色んなジャンルがあるけれど、どんなジャンルを聴く人でも、そのジャンルへの「扉」となった曲があるのではないか。

私が高校生の頃、「クラシック」とか「洋楽のポップス・ロック」を聴くのはまあまだわかるけどさ、「ジャズ」を聴いてるヤツは玄人だよな、なんていう雰囲気があった。(クラシックや洋楽には、親や習い事の影響で触れる可能性があるが、ジャズは入口が見えないのが一因か)

高校生なりの、謎の「ジャズ」への憧憬、そこから感じる敷居の高さ。

聴きたいけど、なんでか手を出せない…!
そんな私に、ジャズを気楽に楽しむことを教えてくれたのが、“The Lady Is A Tramp”だ。

高校時代のある日、YouTubeの関連動画として現れたこの曲は、のっけから私の注意を引いた。軽快なスウィングに、自然と体を揺らしてしまう。

この緑髪の女性、声がパワフルで素敵だな〜。なんて名前の歌手だろう。
…え、いや、Lady Gagaじゃん?!Lady Gagaって、こんなにクラシカルなジャズを自分の曲のように歌いこなしちゃうの?!(錯乱)
という感じで、何度も何度もリピート再生をした日のことを、今でも覚えている。

アンビバレントな歌詞に引き込まれる

そして曲のメロディやリズムの美しさもさることながら、歌詞が面白くて。

“The Lady Is A Tramp”。
trampは米の俗語で”浮気女”や”アバズレ”などの意味を持っている。
LadyがTramp…なんだかヘンなタイトル。
けれど曲を聴いていると浮かび上がってくる主人公の女性の魅力にどんどん惹かれていく。快活な淑女のアンビバレンスを魅力的に歌った曲なのだ。

I love the free, fresh wind in my hair
Life without care
I’m so broke It’s “oke”
I hate California, it’s crowded and damp
That’s why the lady is a tramp (I’m a tramp)
自由でフレッシュな風に髪をなびかせるのが、大好き!
悩まない人生、
一文無しでも、それでオッケー
カリフォルニアは大嫌いよ、湿っぽいしゴチャゴチャだもの
…だからこのレディは「アバズレ」なのさ

“The Lady Is A Tramp” – Lady Gaga& Tony Bennett

決してブレない自分を持っていて、猫のように気まぐれで、けれどエレガントでチャーミング。Gaga様が歌うのにぴったりな女性像。自分にエンジンを掛けたいときに聴いたりする。”The Lady”の奔放さを口ずさむと、いい意味でタガが外れてくれるのだ。

ありがとうTony Bennett

デュエットしているTony Bennettはアメリカで殿堂入り的存在の、偉大な歌手。(日本でいうと北島三郎的なイメージかな?←違う)

この曲はTonyがさまざまな歌手とコラボレートした“Duetsⅱ”というアルバムの収録曲。その後GagaとTonyの二人で作った“Cheek To Cheek”はまごうかたなき名盤。(北島三郎があいみょんとコラボして、国民的演歌をクールに歌いまくったアルバム、みたいなイメージかな?←違う)

Tonyさんはきっと、ジャズの視聴者における裾野を広げるという目的でデュエットを始めたことだろう。その目論見は、大成功である。ただの日本の高校生だった私は、まんまとジャズの広大な世界にはまりこんだのだから。

この二人の“Anything Goes”も大好き。

Gaga様の歌うシナトラの名曲“New York, New York”も最高なので、ぜひ。

Gaga様の歌唱力が飛び抜けているのはみんな知っていることだけど、こんな風に往年の名曲を現代でもクールに輝くように歌い上げる様子は、何度鑑賞してもカッコよすぎる。

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